<あらすじ>
「麻雀をやるのかな?」と思って翁氏の家に来たら、まさかの将棋の対局が始まりました。
kobaはいつもの戦法で、翁氏は「試してみたい。」と言う理由で“無敵囲い”を使い、対局は開始。
当初、翁氏が圧倒的に有利だと思われていたが、“無敵囲い”の弱さが露呈し、気づけば翁氏が圧倒的不利な状況に立たされていた。
しかし、まだ勝利を諦めない翁氏。対するは、持ち駒を沢山持って優位に立ったkoba。
どちらも譲れない一戦になってきたこの対局。
そしてこの後半戦。いよいよ、この戦いに終止符が打たれることとなる…。
↓前回(45手目)のおさらい。
…ってなわけで、ここから後半戦スタートです。
解説:やはり惜しむべきはさっきの無駄な手。とにかくなるべく、翁氏に駒を渡してはいけません。
ここで、香車と歩を引き換えに銀を取りに行ったわけですが、今思うと何か微妙な手です…。
解説:ここで銀で取ってきました。まぁ、この後の対応は歩で取るの一択のみでしょう。
解説:ここで歩で取って成り。
でも結局飛車に取られるから、成っても意味ないのですがね。
解説:この辺は文句なく、予想通りの手。
しかし、問題はこの次。効果的に攻撃する手段がほとんどないことですが、一体kobaはどう打っていったのでしょうか…?
解説:なるほど、とりあえず歩を打ったようです。
銀と角が利いてるので、とりあえず損することにはならないという目論見。
解説:当然、飛車は後退せざるをえません。
後退しないとkobaが5六香車打ちにより、香車と飛車の交換が成立してしまうからです。
解説:ここで銀打ち。翁氏の飛車、王を煽ろうとしたkobaの一手です。
…しかし、次の翁氏の一手によりkobaは完全に取り乱すこととなる。
解説:翁氏の行動は、飛車の9筋への移動。
恐れていたサイド攻撃がとうとう現実になりました。
解説:翁氏の飛車がサイド攻撃を仕掛けた場合、kobaの王の位置は非常に危険。
よってkobaは王を移動させることに。だんだん勝敗がわからなくなってきました。
解説:そして翁氏は、金で銀の攻撃を完全に断ちます。
この数手で、流れは徐々に翁氏の方に向かうという事態に。koba、窮地に立たされます。
解説:さしあたってkobaはこの6六にいる銀を前からうっとうしいと考えていました。そこで銀を前進し、おびき寄せることに。
…ちなみに、この手は翁氏が「こりゃぁ…面白い手だね。」と語っていたので、おそらく悪手でしょう(苦笑)
解説:ここで翁氏、銀を捨てて王手をかけてきました。
おそらく目的は誘導なのでしょうが、金を放置しておくのも危ない選択。悩むところです。
解説:もうこれはどうしようもない、と判断してkobaは金を取ります。
銀を捨ててきたということは、kobaのこの手はまさに翁氏にとっては思う壺なのでしょうが、もうこれは防ぎようがありませんorz
解説:そして飛車は龍となり、王手をかけてきました。
恐れていたサイド攻撃がとうとう来てしまいました…
解説:しかし、逃げ道を序盤のうちにたくさん作っておいたkobaは捕まりにくい真ん中へと移動を開始。
これで連続で王手されるような状況は避けられました。
解説:迫りくる翁氏の龍。単騎とはいえ、何と恐ろしい駒であろうか…。
この時点では、翁氏が総合的な戦力差を跳ねのけ、優位に立っている印象がありますね…。
解説:そして、最終目的地だった真ん中へと到着。
これで早々捕まらないはず…!
解説:そして、心なしか翁氏に余裕が見え始めました。
この歩打ちもなかなかkobaにとっては厳しい一手です。これはもう銀交換しかありませんね…。
解説:銀交換に持ち込むために銀を取ったkoba。
次の翁氏の一手は、同歩か、5六歩のどちらかが考えられるが、さてどっちだろうか。
解説:翁氏、ここは中央をこじ開けてきました。
このとき、翁氏はもうすでに何手も先のシュミレーションをしていて、「ギリギリ勝ったわ。」と宣言。
この発言は本当の勝利宣言なのか、それともブラフなのか。もうこの時のkobaにはそんな事を気にする余裕すらありませんでした。
解説:そして、これも悪手。
普通に銀が歩によって死んでいるじゃないですか!(爆)
解説:しかし、翁氏はすぐには銀で殺さず、歩を前進させてきました。
「いつでも殺せる」と言う余裕の表れなのか、それとも歩を動かさなければならない理由があったのだろうか…?
解説:なにはともあれ、この一手を無駄にするわけにはいきません。koba、ここで金を取って王手。
翁氏の王を殺すにはあと一歩。kobaにも希望が出てきます。
解説:まぁ、当然金で取られるわけですが。
どちらも守備の崩壊はあと少しといった状況。こうなると一手一手が大切に思えてきます。
解説:ここで、kobaは何かと厄介な歩を殺しに来ました。そして、同時に龍への牽制も兼ねた一手。
「これで、少しは相手の攻撃力が下がるかな…?」と思っていたら、
翁氏が「へ〜…。その手は一番、俺がないと思った手なんだけどなぁ…。」と発言。
あ、俺もしかしてやっちゃった?
解説:なるほど、香車打ちで角取りは必至だということですか。
……うん、確かにさっきの手はなかったわ。
解説:もう、どうしようもないので被害を最小限に防ぐために歩打ち。
ここにきて、kobaは流れを失ってしまいました…orz
解説:そして、ここにきてダメ押しの銀。非常にまずくなってきた展開です。
しかもこの次の手、kobaが再び悪手をします。
解説:普通に龍を角で取るのが模範解答なのに、まさかの桂馬打ち。
うん、なんか香車を打たれた時点でもう角は死んだ、と考えちゃってました。
…この点は次から反省したいと思います。
解説:そして、その希望の角も消されてしまいました…。
ここにきて勝負は完全に翁氏が優勢に。koba、序盤の優勢とは打って変わって、劣勢に立たされました。
解説:しかし、もう気が動転したkobaはまたもや悪手。
金を打つという発想は間違っていないにしても、打つべきだった場所は6九だと思うんです。
これじゃ、相手に「よし、逃げ道は空けといてやったぜ!」と言ってるようなものですからね…。
解説:そして王は悠々と逃げる。
なんかもう絶対につかまえられない気がした。
6九桂馬成り→同王→7七銀成りで何とかあと一歩のところにたどり着けそうな気がしますが、それだとなんかちょっと遅い気も…。
解説:はい、もうここら辺は本当に悪手。
さっきから、銀が歩で取られるっていう話だったのに、ここにきてすっかり忘れています。これはひどいorz
解説:あ〜あ、銀取られちゃいました。
これでkobaの勝利はほぼ絶望的な感じになります。
ってか、今思うと悪手のオンパレードだよ、これ…。
解説:もう攻め手を失ったので銀を置いて再び攻撃の基盤を作るしかないと考え、銀打ち。
今思うと、7九銀打ちの方がまだ勝てる可能性があったのになぁ…(苦笑)
解説:そして、ぬるりと攻め込む龍。
これは、詰み方が見えていたが故の行動ですかね…。
解説:しかし、ここにきてkoba、脳細胞フル活用。最後の反撃を行います。
それが、桂馬成り。これが、kobaにとっての最初で最後の勝負手です。
解説:この圭を翁氏は王で取ることを選択。
そして、次の一手。kobaは勝負にうってでます。
解説:これがkobaの最後の抵抗。
王手龍取り。
まさに渾身の一手。kobaはそう考えていた。
…しかし、翁氏の頭脳は完全にkobaを上回っていた。
物を言うのは長年の将棋の実力。次の翁氏の一手は実に鮮やかなものであった。
解説:そう、それがこの一手。
この一手、単純に角で王手を防いだだけではない。そう、王手もしているのだ。
この一手が決まったその瞬間、「kobaの勝利」という幻想は儚(はかな)くも、そして静かに散っていったのであった…。
解説:本当は角で取るべきだったのだろうけど、もうどっちにしても勝ち目はない。
最後の勝負手が決まらなかった時点で、kobaの勝機はすでになくなっていたのである。
解説:そして、これで詰み。
「銀打ちで詰みでもよかったはずなのに、桂馬で詰ます。」というところに、味わい深いものがあります。
いや、もう本当完敗です。さすが3級…。
…で、まぁ、1時間30分の今回の対局。結果は、翁氏が勝利しました!
<感想>
今回行われた対局は、非常に焦燥感ある戦いとなりました。
なんせ、一手一手が罠に見える。どんな意味のない行動でも深読みをしてしまう。
これってやっぱり、もうすでに相手に呑まれている感ありますね(笑)
…で。この対局ではkobaが新しい戦法(ただ、まだ完全には確立していない)、翁氏が無敵囲いを使っていたわけなのですが。
結論としては、強い人はどんな作戦使っても強いということが分かりました、はい。
序盤にあれだけ劣勢に立たされておいてどうなるかと思ったら、結局普通に優勢に立って勝ち。
まぁ、kobaの悪手が重なったのもあるんですが、それを抜いても強かったです。
いつか、無敵囲いとかじゃなく、ガチの戦法を使う翁氏に勝てる日がきたらいいなぁ…と思います。
そのためにも、まずは一手一手を冷静に判断できる力を季明氏や学校の友人たちとの将棋で身につけられたらいいなと思う次第です。
「翁氏みたいな格上と戦った今回の対局、自分にとっていい経験だったなぁ…。」と感じられる、そんな中間試験前の出来事でした。
<追記>
ちなみに試験の結果はボロボロでした。